目次
学校の休み時間、ひとりで教室に残っているらしいと知って思わず胸がいたくなった話
子供が学校で毎日楽しくすごしているかどうか、親はみんな気になりますよね。
小学校の場合、授業参観で授業中の様子は見る機会はありますが、休み時間どんな風にすごしているかは、あまり見えてこない場合が多いです。
小学生の休み時間といえば、大勢で体育館や校庭で元気よく遊ぶというイメージです。
でも、もし子供が休み時間にひとりで教室でぽつんと残っているとしたら?
やっぱり気になってしまいますよね。
私の息子の場合もそうでした。
1年生になって夏休みが終わったころです。
子供が
「休み時間、つまらない。」
とぽつりと言いました。
どうして?と聞くと、
「遊ぶ人がいない。」
と、いうのです。
みんなと一緒に遊んだら?ほかのみんなは何して遊んでるの?
と聞いてみたら、
「みんなはドッヂボールしてる。でも、ドッチボールはつまらない。」
という答えでした。
息子は、休み時間はひとりで教室でいたり、ひとりで図書室に行ったりしていると言ってみました。
それを聞いてちょっと心配になって、用事があって学校に行った際に、先生に子供の様子を聞いてみました。
すると、
「そうですが、確かにひとりでいるときもありますが、クラスで浮いているとかそういうことはありませんよ。」
という答えでした。
その時、ちょうど休み時間だったので、クラスの様子を見ていたら、息子は、いろいろな子に、
「一緒に遊ぼう!」とか、「これやろう。」とか頻繁に声をかけられているのです。
でも、声をかけられているのに息子は
「・・・・」
黙ったままなんです。
まるで、友達を無視しているみたいに見えてしまいます。
こ、これはどういうことなんだ!?
と悩みました。
声をかけてくれた友達は、息子が何も返事をしなくても特にきにとめていないような感じです。
小学1年生の子供の間のコミュニケーションって、こんな感じなんだろうか、、、
私の頭の中は「????」
という感じでした。
どうして話しかけられても返事をしないのか
私は、子供と二人になったときに、
「お友達、一緒に遊ぼうって声かけてくれているよね。どうして返事しないの?」
と、聞いてみました。
すると、私の質問にも返事をしません。
うちの子は、普段は普通におしゃべりしますが、答えたくない質問には、無言でいる傾向があります。
そこで、
「なんていっていいかわかならいのかな?」
と聞くと、
うん、とうなずきました。
なるほど、息子は、友達との会話で、どういう風に会話を続けていいのかわからなくなるようです。
そして、
「慣れていない子と話すのが苦手なんだ。」
と、言いました。
つまり、家族や昔からよく知っている友達の子とは自然に話せるけど、クラスメイトでもあまり話したことのない子と会話するのは苦手ということなんです。
なんとなく、息子の気持ちがわかってきました。
つまらないから遊ばないわけではない
まだ人間関係スキルの低い小学校低学年の子供です。
あまり物事を深く考えずに、ぽんっと知らない子の中に入っていけるならいいですが、ちょっと深く考えすぎる子だと、人間関係のスキルや経験が圧倒的に少ないのにも関わらず、どういう風に話しをしたらいいいのかなと考えすぎてしまって、アクションが起こせなくなってしまうというジレンマに陥っているようです。
私は自分の子供のころを思い返してみると、たぶん、うちの子とは正反対のタイプでした。
全然知らない子でも、「この子と仲良くなりたい!」と思ったら、何も躊躇せずに、「一緒に遊ぼう!」といって仲良くなっていました。
その時に、「知らない子に突然遊ぼうなんていったら、変に思われないかな、いやだって言わないかな。」というような思いはたぶん微塵もありませんでした。
お気楽な子供です。
しかし、どうも、うちの子は違うようです。
でも、
「友達の一緒に遊びたい。」
という気持ちはとってもあるんですよ。
前に、どうしてみんなと休み時間に遊ばないの?と聞いた時に、
「みんなはドッヂボールしてる。でも、ドッヂボールはつまらない。」
と、言いました。
でも、本心は違うんです。ドッヂボール、本当は一緒にしたいんです。
だけど、どうやって仲間に入れてって言ったらいいかわからないから、
ドッヂボールはつまらない
ということをひとりでいる言い訳にしちゃったんですよね。
こういう息子の気持ちに思いが至ったときに、なんだか胸が締め付けられるような切ない気持ちになってしまいました。
人間関係構築は、経験。子供にも挑戦させなければ
みんなと遊びたいのにひとりでいる息子の気持ちを想像して、切ない気持ちになったわけですが、
だからといって、親がでていって、他の子供たちに「みんな、一緒に遊んであげて」なんていうわけにもいきません。
先生に頼んでも仕方ないことです。
ここは、子供自身が克服していかなければならない壁である。
と、私は思いました。
時間はかかってもいい。少しづつ、乗り越えていってほしい、と思いました。
それまでは、見守るしかない。
という思いもありました。
しかし、私は、何もしないでじっと見守るより、少し、息子の背中を押すことにしました。
まず、子供の心の中の気持ちを言語化してあげようと思いました。
子供は、休み時間にひとりで教室に残っているという自分の状況にいろいろな思いを抱いているだろうけど、そのことを口に出していったりしません。
だから、自分の体験とその時の気持ちを話すことによって、子供に共感してもらおうと思いました。
「お友達に一緒にあそぼう!っていうのってなかなか勇気がいるよね。
ママもね、転校生だったから、最初、みんなの輪の中に入っていくのが難しかったよ。休み時間にひとりでいて、さみしいなって思ったこともあった。
でも、自分から声をかけたりしていくうちにだんだん友達ができたりしたよ。」
というような話です。
子供はだまって聞いていました。だけど、真剣に聞いていました。
「〇〇も、本当は、お友達と遊びたいなって思っているんじゃない?でも、どうやって声かけたらいいかわからないんじゃないかな?」
と聞くと、うん、とうなずきます。
ああ、やっぱりそういう思いでいるんだなーって思いました。
「そうだね、あまり話したことのないお友達に話しかけるのは勇気がいるよね。でも、向こうもそういう気持ちでいるかもしれない。
そして、話しかけられたらうれしいって思うと思うよ。〇〇も、お友達から話しかけられたらうれしいでしょ?」
と聞くと、また、うん、といいます。
「じゃあ、時間がかかってもいいから、お友達に遊ぼうって言ってみようか。焦ることはないよ。
でも、やってみること、大切だよ。」
というような、話をしました。
それから、時々、
「今日は、休み時間、どうしてたの?誰かと遊んだ?」
と、聞いてみたりしました。
あまり聞きすぎるとプレッシャーになってしまうかな、とも思いましたが、この壁を越えさせるためには
ノープレッシャーより、ちょっとだけ背中を押すくらいの働きかけがあった方がよいと感じました。
徐々に壁を乗り越えた子供
それから1か月くらいたったとき。
「今日、休み時間、みんなでドッヂボールしたよ。」
と、息子が行ってきました。
「そうなんだ。楽しかった?」
と聞くと、
「うん、楽しかった!」
という返事。
やっぱり、ドッチボール、やりたかったんですね。
それから、息子は、だんだん友達の輪に入っていくコツをつかんだようです。
今は、いつも休み時間はドッヂボールやおにごっとをしたりして友達と遊んでいるようです。
先生も
「最近は、休み時間は教室に残っていないで、校庭や体育館に遊びに行っていますよ。」
と話してくれました。
子供はなんとかひとりで、人間関係スキルを1段階取得したようです。
同じような悩みをもっているお母さんへ
実は、子供がひとりで教室にいることを知ったとき、ネットでこんなときはどうしたらいいかということをネットで検索しました。
すると、検索結果がたくさんでてきて、、同じように、子供がひとりぼっちでいることを気にかけているお母さんがたくさんいることを知りました。
自分の経験から言えることは、
子供の話を聞いて、
「こんな気持ちなんじゃない?ママもわかるよー。」
というように、子供の心の中なのもやもやした気持ちを言語化してあげる。
そして、共感してあげる。
という作業が、まず、第一に有効だと思います。
そして、焦ることはないし、ひとりでも大丈夫ということも話すことも大切です。
でも勇気をだして、友達の輪に入ってみようという背中も押してあげることも必要だと感じました。
子供の力を信じて、見守って挑戦させてあげる、そんな親でいれたらいいなと思います。