文章問題が苦手な小学生は、なぜ苦手なのか。原因と対処方。

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うちの子は文章問題が苦手、、、って、すごくよく聞くんですけど

小学生の保護者同士で話しをしているときに、よく出てくるのが、

「うちの子、算数の文章問題が苦手なんだよね。」

という言葉。

計算は得意でも、文章題になると、とたんにできなくなったりするという現象です。

文章を読み取る力不足なんでしょうか。

算数にも、国語力が必要なんだなと思ったりするんですよね。
それで、大抵の親は、
「たくさん本を読ませたほうがいいな。」
と考えますよね。

でも、本を読んだりしても、やはり文章問題が苦手なまま。
こういうケースは、本当によく聞きます。

そういったことを見聞きするたびに、どうしてなんだろうな、何かいい方法はないのかな、と考ていました。

実際、自分の子供が文章問題に悪戦苦闘していたのを目の当たりにした

実は、うちの子供は、特に文章題が苦手だとは思っていなかったんです。
文章を読む力はある方だと思っていました。
文章題で苦しんでいる様子もなかったんです。
あえて言えば、学力はわりとある方です。

ところが、ある時、割り算の問題をやっているときに、
まさに
文章題がわからない
という状態になっていたのです。

まず、割り算の筆算の計算問題を20問くらい続けてやっていました。
多少時間はかかっていましたが、答えは全問正解でした。

そして、次に文章問題を3問解いていたのですが、
それが3問とも間違っていたのです。
筆算の計算問題と同じような簡単な式の問題なのに、です。

計算問題ができるのに、なんでこの問題ができないのだ!?

と、私は不思議でした。

それで、

「間違っているから、もう一度一緒にやろう。」

と子供に声をかけたんですね。

すると、
「いやだ!わからない!やりたくない!」
と、拒否状態なんです。

そして、全然わからない!といって泣き出してるんです。

おそらく、それまで、解いている問題がわからない、という状況がほとんどなかったので
悔しかったのもあると思います。

私は、何がわからないのかさっぱりわからなかったです。
だって、すごく簡単な問題だったから。

子供がわからなかった文章問題はこんな感じ

では、親としては「何がわからないのかわからない簡単な問題」なのに、子供にとっては全然わからなかった文章問題はどんなものだったのか
ご紹介しますね。

【問題 1】
飴が50個あります。
3人で同じ数ずつ分けると、1人分は何個になって何個あまりますか?
【問題 2】
飴が50個あります。
1人に4個ずつ分けると、何人に分けられて、何個あまりますか?

似ているようで異なる二つの問題。
うちの子供はこの問題の答えを、

1、10個 あまり 2
2、10人 あまり 2

って、書いていたんです。

「え!?」
って思いました。

簡単そうだし、同じ計算の問題はあっていたのに、なぜ解けないんだろう。

と、不思議な気持ちでした。

子供に説明してもわからない

私は、うまく説明しようと思って、紙に絵をかいたり、式を書いたりして説明しました。
しかし、私の説明が下手なのか、さっぱり伝わりません。

説明しても、ぴんと来ないみたいなんですよね。

それで、思ったんです。
この問題のシチュエーションが想像できないんだなって。
飴が50個あってわけるっていう場面が頭の中にでてきていなんですね。
その場面がイメージできないと、この問題は解けないんです。

ストーリーをつくって、想像をうまくできるようにしてみた

そこで、この短い文章題を、もっとわかりやすく具体的なストーリーをつくって説明することにしました。

『あのね、じゃあ、これがどんな場面なのか想像してみようね。

ママが飴が50個入った袋をお土産にもらって帰ってきたの。
そこで、あなたとお友達のAちゃんとBくんが一緒に遊んでいたとしよう。
ママは、
「この飴全部、みんなで分けていいよ!でも喧嘩しないように、みんなで同じ数になるように分けてね。」
って、言ったの。
じゃあ、みんな何個づつで分ける?
最初に10個づつ分けてみようか?
3人で10個づつとったら30個だね。袋には50個あるから、まだ20個残っているよ。
あと何個づつもらえるかな?』

ここまで話すと、急に子供の顔がぱっと明るくなりました。
そう、問題の意味がわかったんですね。
そして、
「わかった、16個づつであまりが2個?」
と、正解の答えを言いました。

つぎに、問題2です。
この問題2は問題1に似ているけどかなり違います。
想像の力がないと混乱します。

問題2は、このように説明しました。
『ある時、ママが飴が50個入ってる袋をもって、学校に行きました。教室に入ってこう言うの。
「みんなに飴を4つづつ配るから並んでちょうだい!順番だよ!」
そして、並んだ子に順番に4つ飴をあげていきます。そしたら、何番目の子まで飴を配ることができるかな?』

こんな風に話すと、実際に母親が学校に来て飴を配っている様子を想像して面白がっています。
『じゃあ、10人目まで配ると、飴は40個なくなってるよね、
袋の中にはあと何個あるかな?
もともと50個あったんだから、あと10個残ってるよね。
そしたら、あと何人の子に4つづつ飴をあげられるかな?』

そんな風に話していくと、

50個の飴を4個づつ分けると、12人に分けることができてあまりが2個である、という正解にたどり着きました。

算数の文章問題は、限られた情報から想像する力が必要

もう一度、この問題1の文章題を見てみます。

【問題 1】
飴が50個あります。
3人で同じ数ずつ分けると、1人分は何個になって何個あまりますか?

めちゃめちゃ、情報量少ないですよね。
いったい、どうして飴が50個もあるのか、3人の子供がだれなのか。だれか飴をくれたのか。子供たちが買ってきたのか。
そういう余計な情報はないわけです。
それを読むと、子供としては、「飴?50個?どういうこと?」
と、クリアに場面が想像できないのではないでしょうか。

数字だけの計算問題ならできるのに、文章問題だとできなくなるのは、この辺りに問題がありそうです。

想像するのは、場面を思い浮かべることだけではなく、

この問題を作った人は、なぜ、この問題が出したのか。今まで勉強したどの部分を使って問題を解いてほしいのか。

ということを想像する力も必要です。

今回は二桁の数を一桁で割って余りがある計算問題をたくさんやったのだから、この文章問題もその練習したことをやらせたいに違いない、

そこまで子供が想像できたら、問題を解くのもそう難しくはないはずです。

この想像する力は、文章を読み取る力とはまた違うんですよね。
この文章問題を見たらわかるように、問題には情報はほとんど書いていないです。
登場人物も背景も、出題者の意図も、何度読んでもどこにも書いてないです。

だから、想像または推測するしかないのです。

子供は文章問題をすらすらと解けるようになるには、

書かれている事を的確に理解する力
書かれていない事に想像、推測、思考する力

が求められるのだと思います。
だから、文章問題はとても難しいのですね。

こどもの論理力、思考能力を鍛えるには

この思考する能力は、いったいどうやったら鍛えることができるのでしょうか。
私は、そのことにすごく興味があります。
ここで、最近読んだ本で、子供の思考能力を伸ばすのに役立つのではないかと思った本をご紹介します。

「論理力を育てれば子どもの学力はぐーんと伸びる」出口汪
著者の出口汪さんは、子供の論理力についての本をたくさん出版されています。

論理力、英語で言うとロジカルシンキングになるのでしょうか。

論理力を鍛えるには、ただやみくもに本を読んでいてはだめなのだそうです。
文章の中から、主語と述語を取り出し、情報を筋道だてて整理するということを意識してやらないといけないということです。

子どもの論理力に関する本は、いろいろ出版さているので、いくつか読んでみると参考になると思います。

子どもの論理力に関する役立つ本

論理力については、非常に関心があるので、これからもいろいろな本を読んでいこうと思っています。

子供の思考力を高めるために家庭でできることは

私は、こども論理力、思考力を鍛えるためには、やはり家庭での会話が重要だと考えています。

たとえば、その日のニュースになっていることなど要約して話て、
その後に、
「どうしてそういうことが起こっていると思う?」
とか
「ママはこう思うけど、どう思う?」
とか、子どもが自分で考える機会を意識的に作ったりしています。

そのためには、親も、子どもが興味を示しそうなトピックを探すことも大切ですね。

子どもがいろいろなことを自分で考え意見をまとめて言う訓練を家庭でできたらいいなと思っています。

論理力に関する本でもう一冊おすすめの本をご紹介します。

論理的に考える力を引き出す―親子でできるコミュニケーション・スキルのトレーニング 三森ゆりか 著

子どもの論理力に関する本は、探すとたくさんあります。
その中で、この本は、具体的な方法をわかりやすくイラストを交えながら書いているので、理解しやすかったです。
論理力を理解するためのきっかけになると思います

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